「ごはんは太る」というのは、科学的にはまったく根拠のない俗説です。むしろごはんは太りにくい食べ物です。そして、その特徴をよりはっきりと示しているのが玄米です。
食事をしたあと体がポカポカとしてくるのは、だれもが経験したことがあるでしょう。食べたものがエネルギーとなって体外へ放散されるからで、これを「体熱産生反応」といいます。この体熱産生反応が大きいほど、太りにくい食品といえます。というのも、摂取したエネルギーが熱となって放散され、その分、脂肪として体内に蓄えられにくいからです。
アメリカのワシントン大学の研究グループが行った実験によると、同じカロリーの食事でも、高脂肪食を食べたときに比べて、高デンプン食を食べたときのほうが体熱産生反応が大きいという結果が出ています。これは、ごはんなどのデンプンを体内に蓄えるための貯蔵能力にくらべて小さいために、蓄えきれないデンプンをエネルギーとして対外に放出してしまうからです。
ごはんや玄米が太りにくい食べ物であるのには、もう一つの理由があります。それは、インスリンの分泌を低く抑えるという点です。
アメリカのスタンフォード大学の研究グループが、ごはん、パン、ジャガイモを摂取した時のインスリン分泌量を比較したところ、同じデンプン食品でも、ごはんのインスリンの分泌量が最も少ないことがわかりました。インスリンは食事から摂取したエネルギーを脂肪に作り変え、体内に蓄えるのに大きな役割を果たしているホルモンです。そのインスリンの分泌量が少ないということは、太りにくい食品だということです。
ごはんがインスリンの分泌を低く抑える理由は、粒状であるために、口の中ですぐにとけてしまうジャガイモなどにくらべて消化吸収が遅いからです。ごはんよりも消化吸収に時間のかかる玄米は、より太りにくい食べ物であると考えられます。
また、玄米はよく噛んで食べなければなりませんが、この「よく噛む」ということが、ダイエットには非常に重要なのです。同じ食品でも流動食にして食べた場合にくらべて、よく噛んで食べた場合は体熱産生反応が4倍も高いという研究結果もあります。
食べ物をよく噛むほど、ノルアドレナリンというホルモンの分泌が促され、体じゅうの細胞を刺激して体熱産生反応を高めるのです。この点において、玄米の効果は普通のごはん以上といって間違いありません。
さらに、玄米は食物繊維を豊富に含んでいますから、便秘も解消して、おなか回りをよりスッキリ見せる効用も期待できます。