2009年3月

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はー、久々の書込みです。春めいて来ると、仕事に追われるようになって、余力がなくなってしまいます。もうちょっと、余裕を持って仕事をしたいと思うのですが、植物の都合なので、どうにもならないところもあります。さて、今日は、お隣の村、東成瀬村から、タラノメを視察に7~8人来ました。私も、あっちこっちの農家に押しかけては話を聞いたりしているので、視察をお断りするのも気が引けて引き受けてはいます。でも、長年試行錯誤を繰り返して得た技術は、いわゆる企業秘密のようなものなので、それをオープンにするのは、自分で自分の首を絞めるようなところもあります。まー、私も来週には、岩手県の雫石に「わさび栽培」の視察に行く予定を立てているので、持ちつ、持たれつで農業が発展して行けば良しとしよう。忙しいんだよなー、行く暇あるかな。
今日は、種籾の準備をしました。まず、今後の処理をスムーズにするため、種籾に付いた芒(籾に付いた毛)を取り除き、風選機で埃や軽い籾を飛ばします。そして、種籾を塩水選します。これは、塩水に種籾を入れて、比重の差を利用して種籾を選別する作業です。充実した種籾は沈み、充実していない種籾は浮くので、浮いた種籾を除きます。通常の塩分濃度よりも濃い塩水を利用しているので、1/3程度は浮いてしまいます。とにかく、良い種籾を厳選することが、良い稲を育てる第一歩だと考えています。
次に、厳選した種籾を60℃のお湯に10分浸します。この処理をすることで、種籾に付いている病原菌を殺菌する事が出来ます。ちなみに、お湯は温泉を利用しています。
これらの処理を終えた種籾は、寒さに強い稲にするため、冷たい山水に2週間程度浸します。
種籾にとっては、籾を守る毛を取られ、風にさらされ、しょっぱい塩水に入れられ、温泉とは言え、熱すぎるお湯に入れられ、更に、冷たい水に入れられるのです。まさに踏んだり蹴ったりですが、いずれ必ず、大きな実を結ぶときが来ます。まずは、期待をこめて、種籾を鍛えているところです。