2009年12月

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自然を相手にしていると、自然の時間の流れと世間の時間の流れのギャップが大きく、自分がどんどん取り残されていくような感覚を持つことがあります。また、自然に向き合って農薬や化学肥料を使用しない農業をしていると、資本主義的な価値観から取り残されていくような感覚を持つこともあります。本来、自然や社会にとって有益な方法の農業をしているはずなのに、そんな感覚を持ってしまうのは、あまりにも世間とのずれが大きいように感じられるからです。

現在の社会の閉塞感から抜け出す方法として、環境をテーマとした産業の育成が一つの方法として注目されていますが、これまでの資本主義的な価値観で進めても、見せかけのエコに終わるような気がします。お金中心ではなく、もっと自然や社会にとって有益なことに対する価値観が高められるような社会づくりを進めていかなくては、地球も人間もどんどん狂って行ってしまうような気がしてなりません。

いきなり価値観を転換するのは難しいですし、例えば、世界の中で日本だけ転換するのも危ういところがあります。でも、本当に未来の子供たちのことを考えると、価値観の転換は避けて通れないところまで来ているように感じます。口で言うのは簡単でも、難しいだろうな~。

いきなり、こんなことを思ったのは、久々にデパートに行って、多くの商品と人だかりを見たからです。当然のことですが、あの空間は、お金が無ければ何も出来ない空間です。東京とかは、その大型版。こっちより多くの給料を稼いでいる人たちが、失業した途端にホームレスになる。こっちだと、ちょっとぐらい失業しても何とかなる。こんなことを思う時点で、取り残されているのかな。
とうとう、本格的な冬がやってきました。ずっと、暖かい日が続いていたので、この急激な寒さは応えます。ここのところ、ずっとパウダースノーの寒い雪。ハウスの入り口の鉄の取っ手を素手で触ると、鉄に手がくっ付いてしまいます。おー寒い。

話は変わって、先日、秋田県の鹿角市で開催されたEMの関係の集会に、地域の自治組織の研修として参加させていただきました。自治組織で行っている自然教育の関係で、廃油石鹸→EMを活用した廃油石鹸→EMの研修会と言った感じです。良く、EM菌と言う人がいますが、そんな菌はいません。このように言う人が多い時点で、EMは、誤解を招くような名前だなと思います。EMに付いては、賛否両論あります。でも、結果的に、世の中にとって良い影響を与えるものであれば、多くの人が誤解していても構わないのではないかと思います。ただ、強制は駄目ですが。集会に参加した多くの方々も、EMに付いて、どこまで理解しているのか微妙な感じで、最後は、ちょっと引いてしまいました。秋田県は、EM後進県で、秋田県は遅れている。もっと広めようと言う感じです。確かに、EMと言う商品の普及は遅れているようです。でも、EMの本来の意味である有用微生物群を活用した農業をしている人は結構居ます。現在、各地に堆肥センターが出来ています。その堆肥センターでは、EMと言う商品ではない別の商品の有用微生物群を使って発酵を促進しています。その堆肥を利用している農家は、認識していないけれども、有用微生物群を活用した農業の実践者です。それに秋田県は、発酵食品の豊富なところで、有用微生物の活用に長けた県です。EMに乗っかるのも一つの手ですが、秋田県ならではのやり方もあるのかなと思いました。例えば、愛媛県工業技術センターの開発した「えひめAI-2」をベースに考えるとか。皆瀬だと、自家製納豆、栗駒高原ヨーグルト、山葡萄酵母(ブルーベリー酵母)、砂糖を使って、EMに変わる有効微生物群を作るとかね。学校教育に使うんだったら、EMより、こっちの方が面白いと思う。例えば、納豆を作るには、大豆と稲のわらが必要なので、大豆、稲を育てるところから始めるとか、ヨーグルトを作るために乳絞りから始めるとか、酵母を作るために、山に山葡萄を取りに行くとか、砂糖はちょっと難しいけど、りんごとかで糖蜜を作るとか、面白いと思う。皆瀬でやってみたい。
ちなみに私の農業は、土着菌を活用しています。特別な菌ではなく、私の田んぼや畑に住み着いている菌(有用微生物)を活かす方法です。有用微生物が棲み易い土壌環境を整えるのが私の仕事です。
「自分が変わる水の奇跡」江本勝著をお奨めしましたが、お奨めしません。もっと、水の結晶の写真を見たいと思い、ネットで探していたところ、科学的な根拠が全く無いことが分かりました。現代の科学水準で証明出来ないものも有りますが、この本は、科学で証明されているかのような内容となっており、誤解を招きかねません。事実、私はぬか喜び。残念です。
今日、何気なく本屋さんに寄り、ぶらっと店内を歩いていたとき、ふと、この頃気になっているキーワード「宇宙につながる」にヒットする本がありました。「宇宙につながると夢はかなう」浅見帆帆子著 ちょっと胡散臭いタイトルですが、パラっとめくったページに、モノにはすべて波動があって、それぞれが振動しています。(全てのものは原子で出来ていて、原子は極小レベルで振動しているからです。)の記述で引き寄せられてしまいました。こんなことは学校で習って知ってはいますが、今、改めて見ると、ハッとさせられてしまったのです。長くなってしまうので書きませんが、相手に波長を合わせるとか、相手の波長を整えることで、同調し、一体化することが出来るのではないかと考えたのです。宇宙は大きな自然ですが、相手が植物でも同じことです。ついでに見つけてしまったのが、「自分が変わる水の奇跡」江本勝著 帯には、「”いい言葉”の振動が体の中の水をいきいき目覚めさせる!」と書かれています。「水は答えを知っている」がベストセラーになっているようですので、こちらをご存知の方はいるかも知れませんね。面白いのは、同じ水でも、ある字を見せたり、ある言葉を掛けて水を結晶させると、その字や言葉によって結晶の形を変えるということです。良い言葉を掛けてた水は、綺麗な雪の結晶のようになります。悪い言葉を掛けた水は、歪だったり、結晶に成らないのです。
人間では70%、植物も殆どが水で出来ています。稲であれば、水を張った水田で育ちます。人間の波動や言葉が水にそれほど影響を及ぼすのであれば、自分が良い波動を持って植物に接したり、植物に対して感謝の気持ちを持ったり、ありがとうと言葉を掛けることで、植物に良い影響を与えることが出来るのです。そうやって育てたお米は、きっと美味しくなるに違いないと思ったのです。稲を育てている時だけではなく、ご飯を食べるときに、いただきます。美味しそうだねと言葉を掛けることで、ご飯に含まれている水が良い水になります。食べ物に感謝し、ごちそうさまと言うことで、自分に含まれている水がよい水になります。日本は、言霊信仰の国ですが、根拠のある信仰だったんだなと感心しました。今日は、思わず嬉しくて、長々と書いてしまいました。この2つの本はお奨めです。機会がありましたらどうぞ。と言いつつ、私もこれからじっくり読みます。
ついでに、前書は、フォレスト出版。水の結晶の話は、先月、手作り石鹸の講習会でも聞きました。雪の結晶を撮影するため、山形県の蔵王に行ったけど、綺麗な結晶はほんの数枚しか撮れず、殆どが歪な結晶しか無かった。地球がおかしくなっているんじゃないかと言う話だった。うーん、単なる偶然か、それとも私への宇宙の采配か。
ようやく、ジャム工房が完成しました。6畳程度の小さな小さなジャム工房です。ジャムを作ること自体に保健所の許可は要りませんが、賞味期限を長くしようとすると、びん詰め食品製造業の許可が必要となります。今回、びん詰め食品製造業の許可を取得しました。

ずっと、ジャム工房を作りたいと考えていましたが、きちんとした施設を建てるとなると、ちょっとしたお金では建てられません。生産量も多くないですし、これからも、そんなに生産量を増やすつもりも無いので、どうしようかなと考えていました。そんな時、ネットを見ていると、6畳程度のジャム工房を発見しました。早速、山形県のジャム工房を見学に行きました。「おっ、これで許可を取れるんだったら、やれる!」と思い、すぐに計画を立てました。ついでに、宮城県のも発見したので、宮城県にも見学に行きました。

それからが大変。秋田県は、厳しい。山形県、宮城県ではOKでも、秋田県では×だったのです。交渉しても駄目でした。ちょっと大目に見て貰った所も有るので詳細には言えませんが、それでも、山形県や宮城県で許可を取るより、30万円程度のコストアップです。
6畳程度の施設で30万円のコストアップは、かなり大きいです。

許可基準を厳しく設定するのは簡単でしょうが、他の県に比べて厳しくしなければならない特別な理由など有るのでしょうか。私の場合で見ても、他の県に比べて不利な条件からのスタートとなってしまいます。

現在、農産物直売所の人気が高まっています。人気の理由は、新鮮、安心、安いです。この直売所で、多様な加工品を販売できるようになると、直売所はもっとにぎわいますし、地産地消が進みます。地域が活性化します。問題は、加工品を製造販売するための保健所の許可です。より小規模な施設で、少量多品目の加工が可能となるような許可の方法を検討していただければと思います。

要件を厳しくするのは簡単です。秋田県は仕事場が無いのだから、単に厳しくするのではなく、産業の芽が育ちやすい環境にし、衛生管理については、定期的に立ち入り検査するとか、徹底的に教育するとか、別のアプローチの仕方もあるのではないかと思いました。

さあ、美味しいジャムを作りますよ。今は、アロニアジャムを研究中です。