山の農場だより

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今年も、私の家、私の部屋の天井裏にキツツキ?が巣を作ったようです。天井裏で、がさごそ、がさごそ音がします。屋根の軒下に穴を開け、そこから天井裏に入って巣を作っているのです。もう少しすると、雛の鳴き声で騒がしくなるでしょう。気温が高くて、薪ストーブを焚かない日が数日続くと、今度は煙突にすずめが巣を作ります。小屋には、ツバメが巣を作ります。ブルーベリー畑には、何の鳥か分からないのですが、巣を作ります。春は、あっちこっち巣だらけです。

この頃、寒い日が続いていて、田植シーズンなのに田植の雰囲気がありません。私の田んぼは、一回目の代掻きを終えて、田んぼの生態系を豊かにする準備期間中です。徐々に田んぼの雑草も生えて来ます。田んぼの生態系が豊かになり、雑草が生えて来たところで2回目の代掻きをして田植えをします。そのため、田植えは、周りの農家よりちょっと遅めの5月末頃になります。良い天気に恵まれればと願っています。
昨年の大地震で崩壊した田んぼの復旧工事がようやく終わり、田植えに向けた準備を始めました。今は、1回目の代掻きをしています。昨年の地震の影響で、復旧工事をしなかった田んぼにも傾斜が出来たりしているので、代掻きをしながら田んぼを平らに均しています。思うように平らにならないので、結構時間がかかります。2回目の代掻きは、10日後程度を予定しています。その後、3~4日後に田植えの予定です。代掻きを2回やるのは、1回目の代掻きで雑草の種を浮かせて発芽させ、2回目の代掻きで発芽した雑草を埋め込みます。この作業で、雑草の密度は低くなる予定ですが、それでも多くの雑草が生えてきてしまいます。さて、明日も代掻きです。
ここ数日、寒いにもかかわらず、桜がほぼ満開状態となりました。昨日の夜は雪まで降ったんですよ。おー寒い、寒い。明日からは、天気が回復するようなので、良い花見日和となりそうです。
話は変って、先日、ちょっとびっくりしたことがありました。ブルーベリーの剪定をしていると、電話が来ました。相手方の電話番号を見ると、12桁の見慣れない電話番号。何だこの番号はと思いつつ電話に出ると、「韓国から電話してます。」と、外国人の流暢な日本語が聞こえてきました。山形県で、ブルーベリー関係の集まりがあるとかで、ついでに、ここのブルーベリー園を視察したいとの事でした。今年の冬に、お隣岩手県の大船渡市から視察の依頼をいただいた時もびっくりしましたが、まさか外国から視察の依頼が来るとは、夢にも思っていませんでした。
山形県の会場から私の農園までは、交通の便が悪いので、会場から近い秋田県の産地を紹介させていただきました。多分、そちらの方に行かれると思いますが、電話で話が出来ただけでも、面白かったです。

昨日、種まきしました。昔は、結構大変な作業だったのですが、今は、機械を利用するので、それほど大変な作業ではありません。それでも、稲策主体の兼業農家の方々にとっては、一大イベントの一つになっています。種まき、田植え、稲刈の3回だけ、後継者?が農業を手伝う仕事です。種まきは、楽な作業とはいえ、立派な苗を育て上げるまでは、気の抜けないシーズンの始まりなので、本当に気を使います。今年は、さらに元気な苗を育てたいと思い、これまでよりも育苗箱1箱当たりの種籾量を減らしたので、どうなるか楽しみでもありますし、不安もあります。さて、どうなるかな。
秋田県内でも、桜が開花してきています。皆瀬では、梅の花が見ごろを向かえ、日当たりの良い山の斜面の山桜も咲き始めました。花の季節を迎えると、山々の山桜と新緑、そして残雪の白でほのぼの季節となります。こんなほのぼの季節は、のんびり景色を楽しみたいな~。春の農繁期で大忙し。ちょっと一息で景色を楽しんでいます。
はー、久々の書込みです。春めいて来ると、仕事に追われるようになって、余力がなくなってしまいます。もうちょっと、余裕を持って仕事をしたいと思うのですが、植物の都合なので、どうにもならないところもあります。さて、今日は、お隣の村、東成瀬村から、タラノメを視察に7~8人来ました。私も、あっちこっちの農家に押しかけては話を聞いたりしているので、視察をお断りするのも気が引けて引き受けてはいます。でも、長年試行錯誤を繰り返して得た技術は、いわゆる企業秘密のようなものなので、それをオープンにするのは、自分で自分の首を絞めるようなところもあります。まー、私も来週には、岩手県の雫石に「わさび栽培」の視察に行く予定を立てているので、持ちつ、持たれつで農業が発展して行けば良しとしよう。忙しいんだよなー、行く暇あるかな。
今日は、種籾の準備をしました。まず、今後の処理をスムーズにするため、種籾に付いた芒(籾に付いた毛)を取り除き、風選機で埃や軽い籾を飛ばします。そして、種籾を塩水選します。これは、塩水に種籾を入れて、比重の差を利用して種籾を選別する作業です。充実した種籾は沈み、充実していない種籾は浮くので、浮いた種籾を除きます。通常の塩分濃度よりも濃い塩水を利用しているので、1/3程度は浮いてしまいます。とにかく、良い種籾を厳選することが、良い稲を育てる第一歩だと考えています。
次に、厳選した種籾を60℃のお湯に10分浸します。この処理をすることで、種籾に付いている病原菌を殺菌する事が出来ます。ちなみに、お湯は温泉を利用しています。
これらの処理を終えた種籾は、寒さに強い稲にするため、冷たい山水に2週間程度浸します。
種籾にとっては、籾を守る毛を取られ、風にさらされ、しょっぱい塩水に入れられ、温泉とは言え、熱すぎるお湯に入れられ、更に、冷たい水に入れられるのです。まさに踏んだり蹴ったりですが、いずれ必ず、大きな実を結ぶときが来ます。まずは、期待をこめて、種籾を鍛えているところです。
今日は、秋田県の中央部にある千畑町の方が、タラノメ栽培を視察に来ました。3年くらい前、たまたま地元の小安温泉に遊びに来たときに、興味本位で私のタラノメハウスを覘いてしまったのをきっかけに、タラノメの栽培を始めた方です。タラノキも大きくなり、いよいよ収穫だと思ったのは良いのですが、ハウスで上手く育たなかったそうです。そこで、また、ハウスを見学に来たのです。私も、これでもかと言うくらい沢山の失敗をしているので、失敗の原因はすぐに分かります。失敗のリスクを最小限に抑える技術は高いほうだと思いますが、上手く栽培する技術は、未だに良く分かりません。ただ、突き詰めて考えれば、やっぱり「土」次第です。
地元の温泉地で、温泉を活用した新たな試みを検討しているようです。
私が借りている温泉熱を利用したハウスは、昔、秋田県が、温泉熱を利用した農業の可能性を探るための研究施設でした。研究が終わってから、旧皆瀬村が引き受け、それを農家に貸し出しています。これまで、数人の農家が借りて農業を実践してきましたが、長く続けられた農家は居ませんでした。現在は、私と知的障害者の施設で借りています。まだ空いているハウスがあるので、そこを利用して何か出来ないかと、温泉宿やお土産店を営む人達が検討しています。農業に取組むのは、ちょっと難しいだろうなとは思いますが、自分達が使う食材を生産するとか、お客さんに楽しんでいただけるような体験型のメニューを提供するなど、自分達の優位性を生かした取り組みが面白そうだなと思います。さて、どうなるかな。
今日は、なんちゃら委員会の懇親会があり、古代米のどぶろくを飲みすぎてしまった。美味かったなー。なんちゃらとは失礼だが、地元の楽しい人たちの集まりだ。話は突然変わるが、それは酔っ払っているからで、酔っ払っていなくても話は突然変わるのだが。企業が求める人材は、主体性、実行力、柔軟性を持つ人だそうだ。なるほど、農業にも必要なことだとうなずいてしまった。さらに話は変るが、何と、麻生内閣の支持率が、森内閣の支持率より未だ高いことに驚いた。森さんは、そんなに支持率が低かったなのに、何で、今も、あんなに威張っているんだろうか。企業や、農業に主体性、実行力、柔軟性が必要なのに、政治には、全く当てはまらないようだ。政治家にも同じ能力が必要だと思うのだが。あんな人たちを選んでいる国民が悪いんだろうね。
今度は、地元の農協の広報誌に載る予定です。毎月一回発行している広報誌で、農家を紹介するページがあるのですが、そこに載るとの事。断ったのですが、断りきれずに承諾してしまいました。来月でしょうから、3月号かな。確かにPRにはなりますが、あんまり目立つのも困りものです。目立たないように、目立たないようにしているつもりなのですが、この地域で農業をしている若い部類は私しか居ないので、とにかく何でも集まってきてしまいます。農業に専念したい。余計なことはしたくない。それに、田舎では、目立つと面倒なこともあるので、あんまり載りたくないんですけどね。
タラノメの収穫が大忙しです。作業が重ならないように、時期をずらしながらタラノキを伏せ込んでいるのですが、天気が良いため、一気に収穫が始まってしまいました。今年は、雪がさっぱり降らず、天気の良い日が続いています。どうしたんでしょうね。もう、1月も後半だと言うのに。あと、3~4日は、バタバタしそうです。
不況の煽りを受けた人員削減で、大量の失業者が出ています。その失業者対策と、農業に携る人材を確保する目的で、国や県、市町村などで動きがあるようです。まー、取って付けたような対策でしょうが、やらないより増しかなとは思います。そこまでやらなければ農業をやる人材を確保出来ない日本の農業って何でしょう。根本的な解決が無いところに、どんどん人を送り込んでも、難しいところが多いと思います。駄目とは言いません。ただ、お金だけを目的に始める人は、99%挫折します。農業が好きな人は、やり方さえ間違わなければ、何とかなるとは思いますが、簡単でないことは確かです。
 そんなことで、秋田県では、ハローワークに農業への参入を促すパンフレットを置くそうです。そのパンフレットに私の写真とコメントが入る予定のようです。他の仕事をしてから農業を始めた人をピックアップしたところ、私が引っかかってしまったようで、後日インタビューに来るとのこと。さて、何を聞かれるのかな。無精ひげくらい剃っておくか。

今シーズン1回目の雪下ろし。まだ、そんなに積もっていないかなと思ったのですが、屋根には、1m20cmぐらい積もっていました。思いのほか多かったので、難儀しました。そろそろタラノメの収穫を始める予定だったのですが、ハウスの環境を変えたら生育が遅くなってしまい、もう一週間ほど掛かりそうです。うーん。前の環境に戻そうかな。
あけまして、おめでとうございます。
旧年中は、大変お世話になりました。
今年も、変わらずお付き合いいただければ幸いです。

昨年は、大地震に見舞われて自然の驚異を感じ、不況に見舞われて実態の無い価値の脅威を感じた年だったなと思っています。地震は、揺れるとか、地鳴りするとか、家が壊れたとか、田んぼが沈んだとか、実際に目に見え、体で感じる事が出来ることです。不況、特に今回のような不況って何?目に見えない何だか良く分からない価値に人が群がって、正気に戻ったら何にも価値が無かった?狸に化かされたような話だな。食品の偽造も同じようなもの。体に良いと思って食べたら、農薬入りだったとかね。「おはぎ」だと思って食べたら馬糞だったなんて笑い話と違って、笑い話にならない騙され話が多すぎる。

今年も、当たり前のことを当たり前にやって、まともな食べ物を育てたいと思うのです。
もしかしたら、それが一番難しいことかも知れません。
でも、それが、本当にやりたいことだし、求められているものだと思っています。
さて、今年もコツコツやるか。

急激に冬到来です。タラノメを栽培している温泉ハウスに向かう途中、軽トラの前輪と後輪を側溝に落としてしまい、朝から脱出作業をしてしまいました。吹雪いていて、視界が良くなかったことも有るのですが、除雪車の除雪の仕方が悪いのが一番の原因です。除雪した道路の真ん中を走っていて側溝に落ちたんですよ。しかも、落ちたのは進行方向に向かって右側。道路の思いっきり右側よりを除雪していたんです。道路に落とし穴を掘ったようなものです。側溝から脱出させるのに1時間以上掛かってしまいました。市町村合併してから、本当に除雪が悪い。しかも下手。何とかして欲しいものです。
今年は、雪の降らない珍しい年です。一度降った雪も消えてしまったので、このチャンスに近くの山をうろうろして来ました。特に何の目的も無かったのですが、何と、フキノトウが食べごろになっていたので収穫してきました。一旦寒くなってから、暖かい日が続いたので、フキノトウが春と勘違いして大きく成長してしまったようです。ほろ苦い春の味覚を早速てんぷらでいただきました。と、これは昨日までのこと、今日から一転、冬到来です。やっぱり冬は寒いなー。
タラノキの伏せ込み作業をしています。根元から刈り取ったタラノキを一芽ずつ切って、床に伏せこみます。一本のタラノキから、平均して15芽程度のタラノメが収穫できます。一芽ずつ切り分けるのは、電気丸鋸を利用しています。その丸鋸周辺で指先が行ったり来たりするので、細心の注意を払って集中して作業しなければなりません。実際、誤って指を切り落としている人も居ます。話を聞くだけで指先がムズムズしてきますし、顔をしかめて背けたくなるような話ですね。今となっては慣れた作業ですが、タラノキを導入した当時は、大変でしたよ。幾ら慣れても危険な作業には違いありません。気をつけて作業したいと思います。正月過ぎから出荷予定です。
今日は、県主催の米粉活用の研修会に参加しました。研修では、米粉を使ったうどん、饅頭作りをしました。40名近くの参加者がいたのですが、男性は、私を含めて2名だけ。ちょっと恥ずかしくなりながらの研修でした。うどんは美味い。コシがあって、モチモチした感じです。饅頭は、ちょっと駄目でした。米を粉にする技術が進歩して、米粉の活用方法が広がってきていますが、自らが育てたお米を粉にして何らかの商品を作るというのは、まだまだ難しいようです。自家用の製粉機では、細かい粉にすることが出来ないのです。それでも、パンなどは、自家用製粉機で製粉した米粉でも充分美味しいパンが出来るようです。これから、米粉の可能性はどんどん広がっていくように感じた研修会でした。