山の農場だより

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今年の稲の苗の出来は、結構良い感じです。今は、2枚目の葉っぱが出てきたところ。これから、馬鹿苗が出てくるので、それがどの程度有るかです。馬鹿苗とは、馬鹿苗病菌に侵された苗で、正常な苗よりびよ~んと伸びてしまいます。お米を稔らせるところまで行けない苗なので、大きなロスが生じます。さて、今年はどうかな。

ようやく桜が満開となりました。春ですね~。
山々の木々も芽吹き始め、淡い緑と山桜、そして残雪の白。のほほ~んとした景色にのほほ~んとなります。

稲の葉は、一枚目の葉が出ています。



今年は、雪が多く、昨年より1週間遅れの種まきとなりました。おおよそ、1週間ぐらいで芽が出てくる予定です。毎年の事ながら、芽が出てくるまでは、芽が出てくれるのだろうかと心配してしまいます。今日も寒く、太陽が顔を出してくれません。温度管理に注意しながら、元気な芽が出て来てくれるよう見守って行きたいと思います。

ブルーベリー畑は、枝が折られ、悲惨な状況です。剪定作業をしながら、折れ曲がった支柱を直そうとして思いっきり引っ張ったら、根元から折れ、思いっきり自分の頭を殴ってしまいました。鉄パイプで、頭を殴ったら、やっぱり痛いです。しばらく起き上がれず、声も出ませんでした。とりあえず、たんこぶ程度で済んだようです。はー助かった。

大地震から1ヶ月。思った以上に復興の歩みが遅く、もどかしさを感じます。それだけ被害が大きいということもあるでしょうし、国などの対応のまずさがあるのかなとも思います。どうしても、それぞれのリーダーに気迫が感じられず、国の方向性が定まっていないのが残念です。果樹を剪定する時、その枝のリーダーを決めます。そのリーダーを中心として、枝を整理します。リーダーを決めないと、その樹の方向性が定まらず、樹が暴れます。良い枝だからと言って、リーダーの枝を2本にしても駄目です。どちらも駄目になります。絶対的なリーダーの枝を決めなければ、良い実は成りません。樹と国を一緒にすることは出来ないと思いますが、きちんと大きな方向を定め、「気」の流れを整えなければ、より大きな成果を出すことが出来ないのは同じかなと思います。

大地震で、すっかり忘れていましたが、こちらは大雪でした。雪が消えるに従い、雪害の大きさが見え始めてきました。ブルーベリーなどの樹は、かなり痛んでしまいました。収穫量は、大幅に減少しそうです。これまで被害を受けたことのない支柱も折れ曲がり、復旧作業も大変そうです。

稲の苗を育てる育苗ハウスの除雪作業をしているのですが、雪が多すぎて大変です。う~ん。どうしてくれようか。

今日も雪で寒いです。もう3月も終わろうとしているのに、こんなに寒い日々が続くなんて。
農作業への影響も心配ですが、春は必ず来るので、その時期に合わせてやるしかないのですが、被災地の方々にとっては本当に大変な気候だと思います。少しでも暖かく過ごせる環境であって欲しいと願っています。
被害に遭われた農家の方が、早く帰ってお米をつくりたいと言っていました。どんなことがあっても、やはり、農家は春に種を蒔きます。お金を稼ぐという意味もありますが、気持ちとしてはちょっと違うんだろうと思います。農家は、生きると、食べるが直結していて、食べ物をお金で買うという考え方では無く、自分で作ると考えています。生きるためには種を蒔かなければなりません。種を蒔くことで、生きる希望が出てきます。出来れば、今年の春に種を蒔ける環境に戻ってもらえたらと願っています。
ようやく宅配便が復活しました。クール便の利用も可能となりました。
被害の大きかった地域への発送は未だ制約があります。被災地に物資を発送するためにも、早く回復して欲しいと願っています。

こんな山奥でも自分のやりたい農業が出来そうだと思ったのは、インターネットの可能性が見え、宅配便の利便性が上がって来ていたからです。これらのどちらが使えなくても、ここは陸の孤島と化してしまいます。宅配便が復活してくれて安心しました。

今は、徐々に春作業に取り掛かっています。
秋田県もガソリンがありません。
下手に動けません。
物流も回復せず、お客様にご不便をお掛けして、申し訳なく思っています。

地震後、ようやく今日からお米の発送を再開しました。

宅配便も燃料が無いため、自宅まで集荷に来てくれません。
自宅から15km程度の営業所まで荷物を持っていかなければなりませんので、ガソリンの無い私にとっても大変です。

申し訳ありませんが、3~4日程度に1回の発送とさせていただきたいと思っています。

ガソリンは、とりあえず、被災地優先。私とお客さんは後回し。ご協力いただければ幸いです。

お米は発送できますが、冷凍ブルーベリーなど、冷凍便はまだご利用出来ません。
地震の影響で停電となり、携帯も使用できず、ネットにも繋がりませんでした。
今、ようやくネットに繋がりました。

こちらは、特に被害は無く、大丈夫です。
ただ、東北全体の交通網に支障が生じており、食料、ガソリンなどが不足しています。
そのため、宅配便のサービスが一時休止状態です。

ご注文をいただいても、発送出来る時期が未定です。
発送が可能となり次第、お知らせさせていただきます。

地震の直後から停電となり、何の情報を得ることも出来ず、状況が全く分りませんでした。地震自体は大きかったのですが、3年前の地震に比べると規模が小さかったため、被害等はそれほど心配していませんでした。電気が来てテレビを見ると、津波に飲み込まれる市街地の映像が映し出されました。最初は、映像を見ても何の事か理解できませんでしたが、事の重大さに気付くと、もう言葉が出ませんでした。

未だ、連絡の取れない岩手、宮城の友人達を心配する日々が続いています。
それに、仙台市にもお客様が多いため、お客様方は無事なのか心配しています。被害の状況を見ると、本当に、とにかく、生きていて欲しいと願うばかりです。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、少しでも行方不明の方の生存が確認されることを願っております。避難所生活を送られている方々については、微力ながら、応援させていただきます。

今日は、南風が強い!雪がどんどん消えてくれます。
ハウスの周りでは、バッケが大きく膨らみ、美味しそうになってきました。
タラノメと一緒に天ぷらにして、春を楽しみたいと思います。

この頃、自然の豊かさが妙に身にしみます。
見た目や、上辺だけで感じていた豊かさとは、ちょっと違って、自然との一体感をより強く感じるようになって来ました。う~ん、面白い。

湯沢市、東成瀬村の若い人達で構成する若者会議の主催で、「わかものがたり ~おらほのプロフェッショナルたちの集い~」が開催されました。私もブースに出展したり、パネリストとして参加させていただきました。

私は、微妙に若者から外れてきているのですが、要請をいただいたので、若い人達のやる気を応援したいと思い、参加させていただきました。

昨年の9月に若者会議を発足させたとのこと。凄く短期間でのイベント開催にも関らず、素晴しい内容だったと思います。

若者会議は、このイベント開催で一区切り付けるようですが、もう少し続けて、「地域づくり」を議論して欲しいなと思いました。メンバーの話を聞いていると、若者会議で出した結論を行政などの関係機関に提言するなど、他人任せで終わらせようとしているのかなと思われる発言もあったので、もう一歩踏み込んで欲しいなと思いました。

全てを行政任せにするのではなく、行政でしなけければならない仕事は行政に要望し、自分達で出来ることは、自分達で考えて行動することが必要だと思います。

全てを年長者とか、行政の決断に任せるのではなく、若者がやりたいこと、出来ることをどんどんやったら良い。失敗したら失敗したで貴重な経験になります。地域は、自分達が作るんだぐらいの気持ちで取組んで欲しいな~と思いました。熱く、弾けちゃいましょう。

今度は、農協と社会福祉協議会の会議があります。人材を発掘して役を分散しないと仕事をする暇が無くなってしまいます。「地域づくり」は、やっぱり「人づくり」です。

さて、ハウスに行ってタラノメを収穫するかな。あ~、今日も昼寝無しだ。
ここ数日、晴天に恵まれ、ハウスの中は真夏日が続いています。半袖で汗を流しながら仕事をしています。これからの時期、ハウスの温度管理は、非常に難しいです。天気が悪くなると冷えるし、夜も冷える。寒さ対策を重視したハウスにとって、日中の晴天は凶器です。換気窓や入り口の窓を開けても温度が下がらず、30℃以上のハウスの中でボーっとしながらの作業となります。温度が高くなると、無性に眠くなります。更に温度が上がると、クラクラしてきます。

話は変わりますが、地元のイベントに参加する事になりました。何故か、私のニヤリ顔がチラシに乗せられていました。こんなことなら、もっと真面目な顔にすれば良かった。下記が、アップされていたチラシです。
http://aios.city-yuzawa.jp/contents/webyuzawa.nsf/image/bad554f60db83b3e4925783e00051821/$FILE/img-221102823.pdf
何故か、今週は、会議が4つもあります。世間的には余裕のある時期なんでしょうね~。
農家が会議?と思うかも知れませんが、田舎にいると、何だかんだと引っ張られて、色んな役が付きます。特に、自由業の農家は標的になります。サラリーマンより暇な農家何ていないのにな~。
タラノメをやっている私は、今も農繁期。しかも、豪雪地帯なので、除雪作業もプラスされます。その上、会議なんて行っている余裕も無い。それでも、真面目な私は行ってしまうのです。その付けは、深夜営業となります。
農業をやっていると、人と合う機会が極端に少ないので、人に会う機会は大切にしたいと思っているのですが、時間泥棒の会議が多すぎて、少々しんどくなります。もうちょっと、何とかならないものかな~。眠い。

今週の日曜日こそスノーボードだ。何としてでも時間を作って滑りたい!
山が俺を呼んでいる!
大雪で、ついに湯沢市が自衛隊の派遣要請をしたようです。
私のところ(町外れの山間部)は、いつも大雪なので、それなりの対応は出来るのですが、普段、雪の少ない市内部は、この大雪に対応出来ないようです。家の密集しているところは、雪のやり場が無くて、どうしようもありません。以前、雪降ろしのアルバイトで、市内の家の雪降ろしをしたことがあるのですが、投げるところが無くて、本当に大変でした。しかも、積もらせられるだけ積もらせてから依頼が来るので、雪が硬いし、重いし、本当に難儀します。
大雪の除雪とタラノメ作業の隙間を何とか作って、スノーボードを楽しんでいます。ようやく、それなりに滑られるようになったので、念願のパウダーに突入です。ちなみに、ここでは、「はで乗り」と言います。これが最高!いやー、スノーボードが、こんなに楽しいものだとは。スノーボードを始めてから、地元の小安スキー場の素晴しさが分りました。ハウスから車で3分のスキー場。こんな身近に、素晴しい遊び場があったとは。雪の量も質も最高で、未整備コースが、結構長い。スキーをやっていたので、あっちこっちのスキー場に行きましたが、これだけのコースがあるところは、記憶にありません。まー自然相手なので、タイミングもあると思いますが、小安スキー場は、間違いありません。
雪が降ると、パウダーに行きたくなりますが、除雪作業が出てくるので行けなくなります。うー、ジレンマ!スキー場だけに降ってくれないかな~。
連日、雪、雪、雪。屋根の雪降ろしも3回目、4回目?
ビニールハウスの周りの雪も消えず、ビニールハウスが、かまくら状態です。
タラノメの作業、除雪作業、ちょっと余裕があると、スノーボードと大忙し。
ハウスからスキー場までは、車で3分。
天気の良い日は、スキー場の音楽が聞こえるくらい近いです。
それでも、スキー場に行く事が殆どありませんでした。
豪雪地帯のメリットは何かと考えても、農業では、どうしてもデメリットしか浮かんできません。生活上も、デメリットしかないと言っても良いくらいです。
冬は冬と諦めて、もっと冬を楽しみたいと思って始めたのがスノーボードです。これが楽しい。
何せ、仕事場から車で3分なので、余裕を見つけてはスキー場に通っています。
雪が降ると、タラノメ作業に除雪作業がプラスになるので余裕が無いし、天気が良すぎるとタラノメの作業が忙しくなって余裕が無くなるのですが、スノーボードをしたいというモチベーションが楽しいのです。山は、やっぱり良いな~と再認識し、今度はスノーシューで山歩きしようかなと考えています。自然が全部遊び場だな~。




明けまして、おめでとうございます。
今年も、宜しくお願い致します。

良い天気が続き、予定より早くタラノメの収穫が始まってしまったので、
お正月から収穫作業となってしまいました。
お正月ぐらいゆっくりしたかったのですが、思うように行きません。

今年も、やりたいこと盛りだくさんで、いつもどおり大忙しの一年になりそうです。
健康に注意して、楽しく励みたいと思っていますので、宜しくお願い致します。




今年は、まだ雪が積もりません。昨日まで積もった雪は、今日の雨で全部消えてしまいました。でも、この後が怖い。この雨が降った後の雪は、半端ではありません。週間天気予報を見ると、やっぱり、明日からずっと雪だるまマーク。少々雨が降っていましたが、夕方にブルーベリー畑や田んぼを散歩しました。ブルーベリーは、冬に備え準備万端。一見枯れたかのように見えますが、しっかり来年の花芽を付けていてくれました。今年の猛暑の影響は、今の所見えないようなので安心しています。しっかり休んで、来年、また、元気に育って欲しいものです。そのほか、ハスカップ、カシス、グーズベリー、アロニアも見舞い、ぶらぶら畑を行ったり来たり。この散歩が楽しいんだよな~。
昨日から、タラノキの伏せ込みを始めました。お正月明けから収穫出来る予定です。この時期、悩むような、覚悟が出来ているような・・・。今の時期に伏せこむタラノキは、やっぱりまだ季節のものではないので、無理して目覚めることになります。まだ芽を出す準備が出来ていないタラの芽を無理やり起こすことになるので、良い芽は採れ難いです。でも、ジベレリンと言う農薬を使用すると、タラの芽が目覚めやすくなり、良い芽が採れます。この農薬は、適法に使用できる農薬なので、使用しない農家はいないと言って良いくらいです。でも、私は使用していないのです。何ででしょう?使用したとしても、誰にも責められませんし、売り上げも上がります。農薬を使用していないからと言って、高く取引されるものでも有りません。何でしょうね?自分が何を求めているのか、まだはっきり分りませんが、見た目が同じでも、目に見えない何か大切なものが失われて行くような気がするのです。単に気のせいかもしれませんが、少なくとも、自分の心が無くなってしまうような気がします。まー、借金だらけになったら、農薬バンバン使って立派なタラの芽を育てて、どんどん売り飛ばそうかと思います。そっちのタラの芽の方が、喜ぶ消費者多いですしね。でも、コツコツ地味~にマニアックにやっている方が性に合っているので、何とか上手に育ててのほほ~とやって行きたいと思います。味は最高ですよ。

とうとう、雪が降ってきました。それでも、まだ根雪にはならなさそう。外の農仕事は終わらせたので、雪が降っても大丈夫ですが、車を入れるパイプ車庫を建てられないでしまいました。もう、今年は無理かな。来年の春にしようかと思っています。今は、温泉ハウスでタラノキを伏せ込むための準備をしています。明後日には、一回目の伏せ込みをしたいと思っています。今年は、ハウスの中の作業する場所にコンクリートを打ったので、凄く作業しやすくなりました。もっと早くやっておけば良かったな~。仕事後に入るプライベート桶温泉にも入りやすくなったので最高です。余り大きな声では言えませんが、・・・。
この時期には珍しく、好天が続いています。日中は、仕事をしていると暑いくらい。タラノキの収穫をしたり、田んぼや畑の排水を良くする整備をしたり、タラノキを改植するために抜根したり、田んぼを平らにするために土を運んだり、何だかんだと沢山あった仕事が片付いてしまいそうです。この時期に、これだけの仕事が出来るなんて信じられないくらいです。春作業に、ちょっと余裕が持てそうです。でも、この好天は明日までの様子。何とか、明日で重要な作業の目処を付けたいと思っています。そして、今年最後の外仕事、車を入れる車庫を建てる予定です。と言っても、単管パイプで作るので、そんな大それたものでは有りません。でも、タラの芽の伏せこみ作業が控えているので、その準備もしなければなりません。雪が降る前に完成出来るかな?
いきなり出てきたTPP(環太平洋経済協定)。
唖然としてしまいました。
そのような議論が出てくるのは止むを得ませんが、
議論も無く、唐突に参加しようとしたことに無力感を覚えました。

TPPに参加すると、加盟国間で取引される全品目について関税を撤廃するのが原則とされています。自動車等の輸出産業にとっては大きなメリットとなりますが、これまで輸入を制限してきた農産物等はとんでもなく安く入ってくることになりますので、農業は大打撃を受けます。大打撃と言うより、ほぼ壊滅状態になります。

これまで、農業は「保護」されてきたと言われています。
わたしは、この「保護」と言う言葉を聞くと、
国民の食を支えていると言う自尊心が打ち砕かれます。

国民の食糧を確保することは、防衛と同じく、国民の安全保障の一つです。そのため、どの先進国においても、食糧自給率を上げるための政策があります。日本は、自然豊かな国にも関らず、他の先進国より格段に食糧自給率が低い国です。
防衛は公務員が給料を貰ってやっていますが、食糧の生産は農家が担っています。食糧の自給率を向上させるために、農家に対して何らかの施策を行うことが保護だと言うのは、間違っていると思っています。

TPP参加と、食糧自給率の向上は、相反するものですが、食糧の安全保障と相反するものではありません。外国から、安定的に食糧を確保できれば、安全保障は成立します。食糧は、国内で生産せず、海外から買う。それが、TPP参加です。つまり、TPPに参加するという事は、日本に農業はいらないと宣言されたようなものです。会社で言えば、リストラです。

まー異常気象で自国の食糧が不足したときに輸出してくれる国は無いでしょうし、日本の農業をリストラしてから、食べ物が無いから生産してくれと言われても無理な話なので、いずれ、食べ物に困る日が必ず来るでしょうね。私は、自家菜園があるし、豊かな山があるので、知ったこっちゃ無いですが。

TPP参加は、国の形を変えることです。
リストラされる農家の立場からは反対ですが、
単に経済的な問題だけでなく、対中国やロシアなどとの関係から、
良くても悪くても、踏み出す時期に来てしまっているのでは無いかとも思っています。
いろんな意味で、尖閣諸島の問題が引金を引いてしまったのかな~。
一人の酔っ払いが世界を変える!

本当にTPPに参加したら、農業と言う業種が無くなるぐらい少なくなります。
さて、どうするかな。